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2018/03/13 17:49

福岡は薬院という、福岡の中でも素敵なお店が集まる地域に、B・B・B POTTERSはあります。

http://www.bbbpotters.com/

当時は別の場所でしたが、1号店ができた27年前には、福岡はまだデパートが2つあるだけの静かな場所だったそうです。そんなですから当時の薬院周辺は、お店など何もない場所だったのだとか。それがB・B・B POTTERS、そしてそこから独立したスタッフが始めたお店など、少しずつ個性豊かなショップができ始め、互いによりよい質を求めていくなかで、魅力的な人や物が集まる"薬院"という場所が育ってきたとディレクターの石井さんは言います。

そんな素敵な場所の始まりのひとつでもあるB・B・B POTTERSには、「BBB(スリービー)は、子供のころから良く母に連れてこられていました。BBB育ちなんですよ!」というスタッフの方が居るほど。

地域の生活に根ざした息の長いお店として薬院にあり続けています。

そんな、とても息の長いお店「B・B・B POTTERS」が、eavamの日本での実店舗の取り扱いとして第一号になってくださいました。まだよちよち歩きのeavamのプロダクトが、なぜこのようなお店の目に留まったのか? それを知りたくなり、ディレクターの石井さんと、eavamに声をかけてくださったバイヤーの山口さんにお話を伺いました。



*人が毎日する、ご飯を作る・食べるということの周りから

B・B・B POTTERSの始まり

3つのBは、ブリュー、ベイク、ボイルという、調理の言葉を組み合わせたもの。ポッターは、ディレクターである石井さんが、かつて愛知の瀬戸で焼き物の仕事をしていたことから付けられた名前。作る現場を間近に見ていたので、作る現場のことと、使う人の間をつなぐことの大切さを感じ、そういう仕事をしたいという思いに至ったことに、その名とお店の方針は始まっています。


*BBBのセレクトの方針 ~ 売り手はお毒見役

石井:私たちはセレクトショップではないかもしれません。選び抜かれた商品を並べるというよりは、これはしっかりした良いものです。使っていただいて大丈夫なものですよ。と。例えていえば、お客様にお出しする前の「お毒味役」でありたい、とディレクターの石井さんはちょっと照れながらおっしゃいました。


なぜなら、生活のなかで日々使うものだから。研ぎ澄ましに研ぎ澄ましたものではなく、もっともっと日常に使うもの、買い換えるものがあそこにあるという感じ。だから研ぎ澄まされた美意識によって厳選したものというより、品数も多く多様です。

それらは、全部自分で使ったかというと、なかには経験で判断できるものはしているけれど、できる限り「これは」というものは実際に使うようにしています。

なぜなら、大切に飾っておくものでもなく日々使うもの、道具だから。



*作る人・売る人・使う人があるからこそ良いものが生まれます。

石井:私たちは基本は開発することは目指していないのです。作っている人たちのこと、その作ったものを伝えたいのが目的です。

そのかわり、流行とは関係なく良いと思ったものは、可能な限り長く伝えたい、売りたい、というのが私たちの方針です。苦労もあるけれど、かならずお客様が帰ってきますから。


なので、欲しいものがあれば、まず、作っている人がいるかを探します。

というのは、自分たちが作れるものは、責任が持てるものに限られてしまうからです。だから、自分たちのジャンル外のものの場合は、良き作り手を探すのです。

世の中は、作る人/売る人/使う人がいればこそで、作り手だらけになるのではバランスが崩れてしまいます。


今は、色々な商品があふれていて、一見良いものと思ってもそうでもないということは、ままありますから、売り手はお毒味役で、そういう役割はとても大切ではないかと考えています。もちろん物を作る行為もとても大切です。でも、その作られたものを「お金を出して買う」というのは別の問題。趣味の範囲は別。ビジネスとそこには大きな違いがあります。

デザイナーがものを作るとき、デザイン自体はとても素晴らしくても、その物が道具として機能として、合っていないこともあります。


*様々なスキンケアラインがある中で、なぜ、eavamを選ばれたのでしょう?

私たちが見つけ、紹介していくものは、当初は、お店の名前のように、キッチン周りから始まっていますが、次第に住へと広げて、今は生活全般に用いるものになっています。

中でも、食や衣、スキンケアなど、体に触れるもの入るものについては、慎重に考えています。

軽々しくやっては絶対いけないと思い、丁寧に良さの確認をしながら進めています。


スキンケアに関しては、色々なものを自身の生活でも使ってきましたが、そうした実感もふまえ、今は原点にもどり、なおかつ、今の人たちの心に響くコンセプトを製品全体で成り立たせているものが必要と考えています。

例えば、これまでに単品でアルガンオイルなどの紹介を受けたことはありましたが、そうしたイメージとはなかなか結びつかずにいましたが、eavamの商品で結びついた感じです。

ショップに置くと、eavamは場所にとても合っている。お客さんには説明すると、すぐわかります。色々なものを知っている年齢の人は、一周してすぐわかる。若い人は、ちょうどオーガニックなものに共感する感じです。


それから、私自身の仕事の始まりが焼き物で、作る現場をずっと見てきていたこともあると思います。

さらに、偶然だけれど、私が仕事をしていた焼き物の会社の社長がタイ政府の仕事をしていたこと、そしてこのビル(BBBの本社ビル)のお向かいにある、タイ料理屋さんの創業者の方もタイで仕事をしていて、そこから、タイの食器やインテリアを紹介してもらい、タイの焼き物を扱ってみたことも過去にはありますが、そのまま日本で定着させるのは、難しく、生活に取り入れる良い切り口がなかなか見つからずにいました。

eavamのものをみて、ああ、こういう風にすれば良かった。そしてタイへ興味を持つ入り口になってくれたらと思えたこともあります。



eavamとの出会い ~ ゲストハウスでのアメニティ

山口:そもそもは、eavamとの出会いが去年の秋の展示会(tracing the roots)で、糸島に準備しているゲストハウス(bbb haus http://www.bbbhaus.com/)のアメニティを探していたのがきっかけです。

糸島のゲストハウスは、宿泊/飲食/ショップで構成され、ショップは、その宿泊施設で使用しているもの、提供しているものを販売しようと考えています。

糸島は、以前はカフェやフェスティバルなど、ごく一部の人しか行かない場所でしたが、最近、産直とか地元のものを買うといったローカルな楽しみも出てきていて、今、色々な世代が楽しめる場所になりそうです。


石井:お店を続けていて、売るだけの仕事だけで良いのだろうか? 売って終わりではなく、本来は使ってもらってはじめて仕事が成立すると思うけれど、かといって家まで行くわけにはいかないでしょう? そうした葛藤がありました。

ならば、使って、体験してもらう場所を作り、そこでは食器、家具、衣類、化粧品などすべてしつらえ、ゲストの方々に体験していただき、その中から気に入ったものを生活に取り入れてもらえたらと。それがゲストハウスにつながったのです。


ゲストハウスですが、私たちは物販においては経験を積んでいるけれど、食と滞在に関しては始めてです。プレオープンはしましたが、自分たちが納得できるような接客をしたいと考え、一旦年末に締めて、2月下旬にグランドオープンの予定です(現在無事オープンしたとのことです)。

いろいろな場所を探し、糸島のこの場所と出会ったのは偶然でした。建物は1970年代に作られた保養所をリノベートしたものですが、当初建物が建てられた後に、周辺の土地は国によって新しく建物などができない場所になったので、海につながる広々した景観はそのまま保たれます。私たちもあれこれいじりすぎないで、この気持ちよさを保っていきたいと思っています


そして最後に石井さんが、これも大切なポリシーです。と付け加えたのが

「男性が一人で入ってきても、恥ずかしくなくてずっといられる、普段のものを照れずに買える店、おじいちゃんも、高校生も来る。おばあちゃんも、女子高生も。ということです。そして例えば初めて一人暮らしを始める時に身の回りのものを揃えられるような、品揃えであること。これもお店を始めた当初から心掛けていることなんです」

でした。

実際、私たちがお話を伺っている間にも、様々な年齢の男性が、来店されていました。

eavamも、男女、年齢を問わず使えることを念頭にパッケージも中身も開発しているので、これも嬉しいお話でした。