2018/10/05 15:50
ここ数年来、高温と干ばつでお天気が不安定でしたが、今年は比較的普段通りに季節が進んでいるチェンマイ。
寒季の華である、夜の花灯籠流しと熱気球のお祭り「ロイクラトーン(北タイではイーペンと呼びます)」の日にちも11月23日に決まり、レインツリーは、古い葉を金の吹雪のように散らして新しい葉をつけ、次の季節の支度が方々で始まっています。
eavamでも、雨期明けから来年にかけての製造計画の相談が始まりましたが、なかでも気がかりなのはジャスミン畑の剪定とその後の世話の仕方です。
私たちは10年をかけて、バームにアンフルラージュ法で香りを移すのに足りる量の花を収穫できるよう、畑を敷地内に拓き、ジャスミンの株を大きく育て、準備してきました。
ところがここ数年、乱れる気象の影響で、水不足や逆に季節外れの雨で花が台無しになったり(雨にぬれると、水分がバームの酸化の原因になってしまうため、原料にできないのです)、ジャスミンの開花の時期までも不安定になったため、バームの生産量がとても限られてしまったことに、スタッフたちは心を痛めて来たのです。
家で育てている経験を生かしながらも、しかし工房にあるのは200株近い大きな規模の畑です。
しかも自分たちが製造するバームの要となる素材ですから責任重大。
最初は、何をするにも恐る恐るだったバーム製造チームでしたが、2回のジャスミンオリーブバーム製造で、バームに移る生花の香りの素晴らしさや評判に自信もつき、もっと作りたいという意欲も出てきたのか、また、栽培についても徐々にジャスミンの株の様子を読み取れる手応えが出てきたのか、例年よりも早く10月に新芽を出すための剪定を行おうという計画が持ち上がりました。
チェンマイでジャスミンを栽培していて、翌年の花のための新芽を育てるための剪定は一般的には12月頃ですから、これはかなり思い切った判断ですが、数年来の天気の不安定さと花の咲き方を見て来た製造チームの意見は確かに理にかなっています。
とはいえ、万が一を考え、私たちが無農薬、有機栽培でジャスミンを栽培するのに興味をもって、何かと相談に乗ってくれる近所のジャスミン農家のデーンおじさんに聞いてみると、その見込みに太鼓判を押してくれました。育て方のコツ、そして今年悩まされた毛虫の駆除の仕方も伝授してくれるというアドバイスのおまけまで付いてきたのでした。
(その2につづきます)