ヤオ族の刺繍に想を得たバッグ「yebシリーズ」で始まったeavamの工藝プロジェクト。その第二弾が出来上がりました。竹編ポーチに納めたトラベルセット「krungthep」(クルンテープ)です。
このプロジェクトは、普段は石鹸やバームを作っているeavamのスタッフたちが、北タイの伝統工芸の技術を学び習得し、地域の伝統文化を継承しながらそこに新しい形を与えていくことが目的ですが、今回は竹籠作りです。
プロジェクトは昨年末から始まりました。籠編みを生業とする人たちが高齢化する一方、継承する人が激減している中、編み方を教えてくださる先生探しからの手探りのスタートでした。
さいわい、子供たちを籠編みの仕事で大学まで行かせ、今も現役という名人のお婆さん(91歳!)に出会うことができました。その彼女をとおして教えるのが上手な先生を紹介してもらったり、社内にも籠編みの心得があるスタッフが数名いたり(!)と、嬉しい偶然が続きます。先生たちのご指導と、社内でスタッフ同士が編み方をトレーニングしあった甲斐もあって、この度無事完成させることができました。
ーー トラベルセット「krungthep」について ーー
◎茶籠にインスパイアされた形
茶の湯に用いられる器や布の中には蒟醤塗や宋胡録など、タイから日本へ伝わった文物は少なくありません。
それは日本とタイ、ふたつの国の間で美が生まれたとも言えます。
そこには素材本来の良さを生かすこと、誠実で美しいものづくりという、日本とタイに共通する伝統的な美意識があるのかもしれません。
人と物が旅して見出された美、ふたつの国の文化の良さが出会い、産まれる美。そのような流れの中にeavamもあります。
トラベルセットでは、そんな文物や美の行き交いになぞらえ、北タイの伝統的な素材や器、茶道具を化粧道具に見立て、それらをeavamのスタッフが村の老夫人から学び、編んだ竹のポーチに収めました。
◎上質な自然素材を贅沢に使ったレシピでハンドメイド
eavamのスキンケアのラインナップの中から、旅先でも普段通りにシンプルで優しく、効果的な肌のケアを続けられる、マルチユースのクレイとバームを選びトラべルセットにしました。
*各ワークショップ、eavam展にて先行販売、現在オンラインストアでもお求めいただけます。
品名:
トラベルセット krunthep(クルンテープ)
小売価格:3,800円(税込)
セット内容
<洗浄・クレンジング>
クレイ:midelt (ガスール) 40g 20g入 2包
<保湿・美容>
バーム:sumimou(アルガンバーム)5ml
<付属品>
・竹編ポーチ
タイは竹の国です。建物の屋根や壁、籠などの日用品など、いたるところに竹が使われています。しかし、タイと言えども近年では、プラスティック製品などに押され、その技術も廃れつつあります。
eavamでは、工藝プロジェクトの一つとして、今も籠を編み続けている人々(特に郊外の村の高齢の女性たち)に方法を学び、工房のスタッフたちが化粧品だけでなく、籠も自ら編むことを始めました。
・猪口と平皿
いずれもチェンマイ周辺で、ココナッツミルクの蒸菓子の伝統的な型として用いられているものです。
猪口型の器は、日本の紅皿に見立て、バームを入れました。携帯用に蓋を兼ねた布カバーをつけていますが、普段はテーブルや小皿に伏せてお使いください。青い線の入った平皿は、ガスールを溶かす器としてお使いください。
・チークの古材で作ったスパチュラ
アメリカネムノキの葉の形をもとにデザインし、チーク古材から切り出しました。eavamのスタッフがひとつずつハンドメイドしています。バームのスパチュラとしてお使いください。
スパチュラケースは、パルミラ椰子の葉を、圧力をかけながら乾燥させ、折りたたんで作りました。
パルミラ椰子は、北タイでは生活と深く関わりのある植物です。花序液は煮詰めて砂糖を作り、葉は、経文などを書く貝多羅葉や籠を編む材料として用いられます。スパチュラケースは、本来は紙幣をこの形に畳んで、財布に入れておくとお金が貯まるという縁起担ぎの折り方を入れ物に見立てました。
・コットンハンドタオル
北タイでは、繊維といえばコットンがもっとも身近な素材です。数十年前まで、高床の家々の地階には大抵糸車や機織り機があり、女性たちは家族のために、綿花を育てるところから始め、衣類のみならず、ブランケットや手ぬぐいなど身の回りを包む布類を全て織っていたといいます。
今も大切な産業として、また女性たちの等身大ながら持続的な収入源として、郊外には機織りに従事する人たちの多い村が数多くあります。