おかげさまで、少しずつファンが増えているeavamの総手刺繍バッグyebシリーズですが、ご要望を受け、新しい形と色が加わりました。
◎使いやすい肩掛けバッグ、エコバッグスタイルが出来ました。
たっぷり荷物の入るショルダータイプ(L)に、より使いやすくて日常使いにおすすめのエコバッグスタイル(L)が加わります。
ジャスミン模様の刺繍パターン:マリ エコバッグスタイル(L) 22,000円(税込)
ドット模様の刺繍パターン:リアンハー エコバッグスタイル(L) 24,000円(税込)
素材は、生地、糸ともコットン、もちろん総手刺繍です。
◎シック&ラグジュアリー、黒がラインに加わります
eavamのシンボルカラーは白。バッグも淡雪のような白から始まりましたが、今回はその対極にある黒です。
<黒はチェンマイの色>
今でこそ、カラフルで楽な服装が日常のタイですが、北タイでタイ服やタイシャツなど、市井の人々の伝統的な日常服の色といえば、藍染めが思い浮かぶことと思います。しかし、実はもっと身近だった色があります。
それは「黒」。
柿の仲間である黒檀の果実を集めて発酵させた染料で、10回以上も繰り返し染めた黒檀染めです。
最初の数回ではこげ茶色だった色が繰り返し重ねられることで、深い黒に染め上がりますが、退色しやすいことが難点。そのため、かつては町には「紺屋」ならぬ「黒染め屋」があり、人々は普段着の色が薄れてくると、染め直しを頼んでいたのだといいます。
渋い草木染めや黒檀の黒が行き交うかつての緑深いチェンマイの町は、なんとも落ち着いた美しい光景だったのではないでしょうか。
とはいえ、黒檀染は非常な手間がかかる反面、
退色や色移りがしやすいもの。残念ながらバッグには性質が合いません。今回は、かつての美しいチェンマイを思い浮かべながら市内の市場を回り、私たちのバッグに合う「これは」と思う黒布を探しました。
青味掛かった黒、グレー掛かった黒、太陽光や電球の下、光の具合で表情を変える黒。。。黒布はとても奥が深く、いくつも見ていると分からなくなります。黒の沼に落ちてゆくようでした(笑)。
<黒は玄>
中国の五行では、冬を玄冬ともいい、玄は黒を表します。
また、白川静の辞典「字通」によれば、玄は束ねてねじり、黒く染めた糸の形を表しているといいます。まさしく、黒染め屋があった頃のチェンマイの様子にぴったりです。
さらにその意味は、深く隠れたもの、道を極めること、輝きなどがあります。
黒というと、どこか固く閉ざされたイメージがありますが、本来の字義には、人が何かを作り知恵を獲得していき、光を手にする、そんな力強さがあるようです。
そして、この黒いバッグをご紹介する季節は冬。
冬の語源は「殖ゆる」。力が外へ「張り」出す春に備え、生命がその内側に力を貯め、ふやすさまを表しているといいます。「玄冬」とは、その身を隠しつつ輝きをはらみながら、極みを目指すこと。eavamのシンボルカラーである白が、物事の始まりや誕生と終わりを示す色であること、eavamという言葉の語源には、常に存在しながらも、ダイナミックに変化しいつも初々しくある空間、状態という意味があることとも、不思議なほどぴったりと符牒が重なります。
実際、白い布と糸で始めた私たちの工藝プロジェクトは、黒のプランに着手した時から、さらにいっそう深まりました。
黒と一言で言っても実際には様々な階調の中からの「黒選び」です。更にその色を生かす布選びなど、素材との向き合い方を通して、また(作業の合間にも、イメージを意見交換、技術交換が止まない)刺繍を通し、それぞれが獲得したものづくりへの思い、技術はより繊細に深まりつつあるようです。
あたかも、eavamの初々しい白の原動力となっている玄(黒)という種子、そんな互いを補い合う一対ができ上がったようです。
まずはハンドバッグタイプのSから展開いたします。
製品情報
ジャスミン模様の刺繍パターン マリ/黒:Sサイズ 12,800円(税込)
ドット模様の刺繍パターン リアンハー/黒:Sサイズ 14,800円(税込)
素材は、生地にリネン、糸はコットン。こちらも総手刺繍となります。