2019/06/18 20:22
チェンマイ郊外の工房で、現地の女性たちと共に石けんやバーム、ガスールなど、オーガニックスキンケア・プロダクツをメインにものづくりを行うブランドeavam。
eavamのものづくりはスキンケアだけに留まりません。日々の暮らしに必要な日用品は美しく、安全で、簡潔であるべきです。との思いから、製品を包むパッケージ自体の開発から見直し、その製品のアイデンティティを形作っています。
具体的には、プラスチック素材を必要最小限とし、繰り返し使用可能な素材とすること。現在一般的な化粧品では採用することの少ない陶器、布、手漉き紙、そして竹などを取り入れてデザインしています。
こうした手工芸の要素を取り入れることができるのはタイ、チェンマイという昔ながらの伝統工芸が息づくロケーションがあってこそです。
画一的なものづくりと、美しいものづくり
とはいえ、ここチェンマイであっても今やグローバリゼーションの影響は無視できません。さまざまな手工芸の担い手は高齢化しており、その多くは女性たちです。彼女たちが引退するに伴い、こうした美しい技術は絶えてゆかざるをえない状況です。
eavamはそうした技術を持った老婦人たちを訪ね、技を受け継ぎ、スタッフたち自身で竹を編み、布に刺繍を施し、紙を折って美しい製品たちを生み出しています。
新しいデザインと、その地で連綿と続いてきた技術の伝承は私たちeavamの大切な仕事です。私たちの作る最上の基礎化粧品は、こうした美しいパッケージを纏ってリリースされます。
現在eavamの作るものは多岐にわたり、オーガニック基礎化粧品の範疇に留まりにくいのも事実です。ブランドとはそういうものであるかもしれません。
写真家 在本彌生さんとeavamのコラボレーション
今回、私たちのものづくりの実際を、広く皆さまにお伝えするため、eavamのZINEを作りました。写真をメインとしたフォトブックです。撮影をお願いしたのは在本彌生さん。世界中を飛び回りながら、各地の風景や人々の表情の豊かさを美しく、そして刺激的に捉え、紹介している在本さんの切り取ったチェンマイとeavamの世界は、静謐でいて、人や物の息遣いや手触りがみずみずしく、時に妖しいほど豊かに伝わってきます。
本や雑誌を手に取る機会も少なくなり、出版の世界も力を失い、視覚はもちろん紙の手触りや匂いといった五感に訴える印刷物を目にする機会も減りました。
そんななか、「ブランド」という、いっけん捉えどころのない存在を、確かなビジュアルでその世界観を具体化した美しい印刷物ができました。
巻末には古今東西、様々な書籍からサンプリングした言葉が添えられています。本来の文脈から離れ、在本さんの写真に添えられた言葉の数々は、新たに自由なイメージを与えます。
『eavam book 01 chiangmai』は限定400部、シリアルナンバー入り、1,700円。
eavamの展示会場ほか、オンラインショップのみでの販売。現在プレゼントキャンペーンを行っております。