8月21日から28日の代々木上原・hako garellyでの展示会を終え、チェンマイに戻って私たちが真っ先に出かけたのは、チェンマイのお隣の小さな町、ランプーンで年に一回、9月の満月の日に開かれる「サラークヨーム」というお祭りです。
ランプーンは、チェンマイの半分ほどのとても小さな町ですが、その始まりはチェンマイよりも歴史は長く、古い街並みや独特のお祭りが残っている魅力的な場所です。
さて、この「サラークヨーム」ですが、竹を軸にして色とりどりの紙や植物を使った装飾を吊り下げた大きなツリー状の飾りを作り、そこにお坊さんに差し上げる日用品をいくつも吊り下げてお寺に持ち寄り、お坊さんはどの捧げもののツリーをもらうかくじ引きで決めるというなんとも不思議で面白いお祭りです。

地元の人にとってはお坊さんに寄進することで徳を積む大切なお祭りであり、より徳の高いお坊さんに自分たちの用意した供物が当たることを願うという切実な儀式ですが、私たちにとっては、紙や植物を使った飾りから、新しいものづくりのアイデアの種子を見つける楽しい場所でもあります。

ともあれ、雨季の雨に洗われた青すぎるほど青い空に、金の仏塔が輝き、カラフルな高さ4m以上はあるであろう捧げものの木々が立ち並び、その間を民族衣装やサフラン色の僧衣の人々が行き交う様子は、現実離れした美しさがあり、私たちはお祭りに出かけるたびに澁澤龍彦の「高岳親王航海記」の天竺のお祭りは、きっとこんな風だろう。。と言い合ってしまいます。

タイのお祭りといえば、4月の水掛け祭、そしてディズニー映画の「ラプンツェル」の夜空を熱気球が乱舞するシーンのモデルになったことで知られるようになった11月の「ロイクラトーン」が有名ですが、私たちはまだあまり知られていない、この「サラークヨーム」祭が一番のお気に入りです。

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