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2019/10/22 16:43

eavamを日本で紹介したのは2年前の秋。
おかげさまで、eavamの名前を知ってくださる方が徐々に増えてきた手応えを感じつつも、今まで作るばかりだった立場から、使ってくださる方の手元までお届けするために伝えることの大切さと難しさも深く感じるこの頃です。

そんな思いが日々ある一方で、もっと大きな言いがたい不安や痛みを感じるのは、この数年日本で起きる極端な暑さや台風や大雨がもたらす災害が、タイにあっても対岸の火ではないことです。
タイでも、雨不足や(意外に思われるかもしれませんが、タイでは雨季以外は雨はほとんど降りません。極端な洪水がある場所がある一方で水不足に悩む地域も少なくありません)、今年の4月前後の異常高温や山焼き(実際にはトウモロコシ畑の開墾や収穫の後始末のため)による空気汚染、また8月にクラビの海で保護されたジュゴンの赤ちゃんの死がプラスティックゴミによるものだったことなどは、タイの人たちの環境への問題意識をとても切実なものとしました。

チェンマイでも、店舗でのプラスティック製ショッピングバッグの削減が始まり、スーパーでのレジ袋の代わりの段ボール箱(商品の納品配達用をリサイクル)の配布、エコバッグを利用する人、市場での量り売りにタッパーを持参する人、森の植樹などの活動を始めた人たちが目に見えて増えています。
カフェでも、ストローがガラスやステンレスに変わったところも少なくありません。

かねてより、普段から製品や製造現場では極力プラスティックを使わないようにしている私たちeavamですが、その切実さは一層せまるものがあります。
さらにできることはないだろうか? 空気汚染やCO2削減の小さな一助になることはできないだろうか? 自然の声にあらためて耳を澄まし、調和して生きる方法を再発見できれば...。と、これまで育ててきたジャスミン畑や果樹のほかに、さらに多くの果樹やハーブ園、野菜畑などを作り、敷地に緑をできるだけ増やすことを始めました。

とはいえです。
植えるばかりでせっかく育てた植物たちからの授かりものを活かさなくては、本当の目的は果たされません。また、それがものづくりの原料となるだけでは、今までの私たちの仕事の方法とも変わりません。

そんなことを悶々と考えていたある日。
スタッフたちが「これ、畑で採れた野菜や庭の花で作ったんですよ!」と、お昼ご飯のお菜に揚げ物を差し入れしてくれました。
チェンマイの郊外で、家の敷地にはハーブや果樹、小さな畑もある生活をしている彼女たちにとって、庭の植物を摘んで食卓に乗せることは、ごくごく当たり前のこと。そういえば、菜園を作る前から庭に自然に生える食べられる植物を「ここは農薬なんかを使わないから安心よね!」と言いながら、ほくほく顔で夕ご飯の食材用に摘んでいましたっけ。
思い返せば、私だって子供の頃は母や叔母たちと山菜摘みや野草摘み、その料理を楽しんだものです。そんな普通のことを続けるとは、なんと難しいことか!?と反省してしまいました。

それにしても作ってくれた揚げ物は、衣から透ける花の色や形は可愛らしく、薄切りした新鮮なナスはふわふわな歯触りが素敵ですし、豆らしき葉のかき揚げは、ちょっとセリにも似たほろ苦さい香りが爽やか。
味付け用の発酵させたエビ味噌のディップの辛味の素の採れたての唐辛子は、辛さも複雑ならば、深みのある香りや甘味があることを思い出させてくれます。
いっけん鄙びた慎ましやかな、けれど心込めてこしらえられた料理は、素材の新鮮さも相まってなんとも豊饒で幸せな味わいを秘めていました。

この差し入れ、無論、収穫物を無駄にせず、かつ社内の親交を深め、よりよい仕事の場を作るといった、現実的な目的もあるのですが、実は、スタッフたちにとっては大きなプレゼンテーションでもあったのです。

今年に入ってから、自分たちのものづくりや作ってきた場所について自ら伝える場をも創出したいという声が、彼女たちの口の端にのぼるようになっていましたが、それは、外に出て行くワークショップでも良いけれど、連綿と自ら育ててきたこの場所を感じてもらいながら、プロダクトにも触れてもらうことが一番だろう。
それならば、せっかくならば、もう一つの場所の賜物である、野菜やハーブで料理を作って食べていただき、全身、五感でeavamを感じてもらいたい!
互いに言葉を交わすうちに彼女たちの思いはそんな結論にたどりつき、アトリエツアーや直営店、来てくださった方が休憩できる小さなカフェスペースなどを作りたいというイメージにまでたどり着くようになっていたのです。

数年前、ある雑誌社からの依頼でツアーのお客さまを工房へお迎えしたことはあるのですが、それはあくまで受け身のこと。
生真面目で慎重な彼女たち自身が、心から自分たちのものづくりや身につけてきた文化について情報発信したいという気持ちを持ち、それを言葉や形にしようと行動を起こしたのは初めてのことです。

展示会のために、私たちが日本に滞在し、伝えることの難しさが身にしみてた時、ちょうどチェンマイでは、それぞれが自ら伝えたちという思いを抱き、その方法を考え、マネージャーたちはそれを実現するプランニングのミーティングまでしていてくれたと聞いて、これはなんとか形にしなくては! と思いました。
そこへ、物事が進むときというのは、不思議と色々なことがうまく繋がって行くようで、この計画、eavamを気にしてくださっているツアー会社の方も協力してくださることとなり、11月よりアトリエツアーが始められることになりました。

緑豊かな敷地内でのものづくりの様子や場所を散策した後は、eavamのスキンケアプロダクトをベースに、庭のハーブなどを使ったスキンケアのワークショップ、そしてスタッフたちが作る優しい味わいの北タイ料理(もちろん、食材の多くは敷地で採れた植物たち!)を楽しんで半日を過ごし、身の回りの自然や植物に目を凝らすことで、日々を豊かに美しくしながら、ささやかでも昨今の不安な空模様を鎮める一助ともなる方法をともに見つけ、持ち帰っていただけたらと思います。

このツアーの詳細は、こちらでご覧いただけます。
興味をお持ちのみなさまは、こちらをご覧くださいませ。