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2019/11/15 18:31

立冬を過ぎて、日本はいよいよ冬間近と聞きます。
雨季明けのチェンマイでは先日、日本でも夜の熱気球(コムローイ)が有名な、満月と火と水のお祭り「ローイクラトーン」が終わり、熱帯の冬「寒季」の訪れを感じる時期となりました。

本日は、eavamの新製品のプレリリースのお知らせをいたします。

近年、いよいよプラスチック由来の環境負荷が広く意識されるようになりました。
残念ながら、日本のようなゴミ処理の公的インフラが確立していないタイですが夏に南部の海で保護されたジュゴンの赤ちゃんが海洋プラスチックゴミが原因で死んでしまったことは、多くの人にショックを与え、急激にプラスチックの使用を見直す動きが進んでいます。

大手の量販店では来年よりショッピングバックは紙製に全て変更されますし、カフェではガラスやステンレスのストローを見かけることも多く、屋台用の販売容器を売る店舗でも、紙製ストローが幅を利かせるようになりました。市場でもお惣菜を買うのにお弁当箱など器を持参する人をよく目にします。
のんびり・ゆったりのイメージがあるタイの人たちですが、同時に仏教や精霊信仰の影響なのか、弱いものや小さなもの、自然への愛情はとても深く、いざとなったら思いがけない行動力や情熱を発揮するのが本質です
プラスチックを減らす動きは、企業でも個人レベルでも本気で取り組んでいるのが感じられます。

eavamは、ものづくりを始めた当初から、パッケージにはできるだけプラスチックの使用量を減らし、どうしても必要な場合には、食品包装に使われる安全で焼却できるものを選ぶことをルールとしています。
バームなど品質保持のために、必要な部分にのみ素材を吟味して使用しています(実際に使用しているのは食品用のポリエチレンとし、これは焼却時に有害物質を発生せず、水と二酸化炭素に分解されます)。
そして今、こうした試みをさらに深く踏み込めないだろうかと、いくつかの準備を進めています。

ひとつはすでにお知らせした、アトリエツアーによる生活提案や、畑を作るところからのものづくりの試みですが、さらに、従来のプロダクトのリニューアル、そしてもうひとつ、生活用品の準備を新たに進めています。

みんなで、あれやこれやと試したり磨いたりの毎日ですが、その方法にはタイの伝統的な生活スタイルや工芸の技術がこれまで以上に発揮され、試作にあたるスタッフたちもなにやら誇らしげです。
その様子に、昔ながらの古い知恵がいつしか最先端の知恵になっている、そんなことを感じます。
年明けには、その第一弾をお披露目できるよう、準備中です。

さて、この第一弾ですが、それは「ミツロウラップ」になる予定です。
私たちも日々台所で使う食品ラップですが、便利な反面違和感も感じていて、最近市場でも目にする機会の増えたミツロウラップを便利に使っています。
これはコットンなどの布にミツロウを染み込ませたもので、繰り返し使えますし、使い捨てではないためプラスチックゴミの量も格段に減らせます。
熱いものや電子レンジでは使えない(ミツロウが溶けるので)。生肉や生魚には向かないなど。。。制約も多少ありますが、それも私たちがあまりに万能で便利すぎるプラスチックに無意識なほど慣れてしまったためでしょう。
今までの樹脂のラップとは別のものとして、私たち自身が暮らし方や使い方を変えていくことが、生活を創造的なものにしていくのだと思います。

ミツロウはeavamにとって、バームの基材や石鹸を包むものとして、とても親しく活用してきた素材です。私たちがこれを使って新たな製品を作るのは自然なことでした。
ミツロウラップはすでに色々なタイプがあり、その考え方も使い勝手もとても好きだけれど、価格やデザインなど、より身近に本当に日用品とするにはまだ工夫の余地があるように感じます。
私たちだったらどんなミツロウラップを作りましょうか? と自らに問い、実際に試作品をみんなで使いながらの開発を進めています。
当初はこれは結構長い道のりになるかな?という心配な出来具合でしたが、最近では「毎回捨てないことってこんなにホッとすることなんですね」「野菜の鮮度のもちが今までより良い気がするような?」など、多少のひいき目を差し引いても、悪くない感じに仕上がってきました。

完成まで、あと一息です。
生活をより清々しく美しくすることが、自然とも調和していくことにつながる、
eavamの新たな試みに、どうぞご注目いただけたらと思います。